万葉集の「梅の花の歌32首」の序文から新年号が転出されて、万葉集事態に興味を持つ人も増えてきて、本が完売になっているそうです。
万葉集は日本の最古の歌集で、その後の古典文学にも影響を及ぼしたと言われているので、改めて読み返してみるのも面白いですよね。現代語訳の付いたものなど解りやすい本も多く出版されています。
今回は「梅花の歌32首序文」の全文と作者、意味なども調べてみました。
万葉集の「梅の花の歌32首」【万葉集とは?】
出典:東洋経済
7世紀後半から8世紀後半にかけて編まれた日本に現存する最古の和歌集で、天皇、貴族から下級官人、防人、大道芸人などさまざまな身分の人々が詠んだ歌を約4,500首以上も集めたもの。
和歌の前では身分は問わない、というこの姿勢は世界的にみても特異なものでした。
作者不明の物も有りますが、759年(天平宝字3年)までの約130年間の歌が全20巻に収録されています。
万葉集は、和歌の原点であり、方言による歌もいくつか収録され、詠み人の出身地も記録されていることから、方言学の資料としても非常に重要なんですよ。
「万葉集」の成立は詳しくは、わかっていなく、編者も数名いたと考えられていますが、最終的にまとめたのは「家持」であるとされています。
また、「万葉集」は「竹取物語」や「浦島太郎」などの古典文学へ影響を及ぼしているとも言われています。
万葉集の時代区分
万葉集の歌の作られた年代としては、主に下記の四期に分けられます。
第一期 舒明天皇即位〜壬申の乱
第二期 壬申の乱〜平城京遷都
第三期 平城京遷都〜天平五年
第四期 天平六年〜天平宝字三年
そして万葉集に収められている和歌は、雑歌(ぞうか)、相聞(そうもん)、挽歌(ばんか)の三つに分類されているんですよ。
雑歌(ぞうか)・・・・相聞、挽歌以外の和歌は全てこの雑歌に分類されます。
相聞(そうもん)・・・親しい間柄に関して詠んだもの。主に恋愛の歌。
挽歌(ばんか)・・・・人の死に関連する歌。
万葉集の「梅の花の歌32首」【序文の意味と作者】
このころ梅は中国から入ってきたばかりで、とても珍しい花だったんですよ。
<現代語訳>
天平二年正月十三日に、長官の旅人宅に集まって宴会を開いた。
時あたかも新春の好き月、空気は美しく風はやわらかに、
梅は美女の鏡の前に装う白粉の如きかおりをただよわせている。
のみならず明け方の山頂には雲が動き、
松は薄絹のような雲をかずいてきぬがさを傾ける風情を示し、
山のくぼみには霧がわだかまって、鳥は薄霧にこめられては林に迷い鳴いている。
庭には新たに蝶の姿を見かけ、空には年をこした雁が飛び去ろうとしている。
ここに天をきぬがさとし地を座として、人々は膝を近づけて酒杯をくみかわしている。
すでに一座はことばをかけ合う必要もなく睦(むつ)み、大自然に向かって胸襟を開きあっている。
淡々とそれぞれが心のおもむくままに振舞い、快くおのおのがみち足りている。
この心中を、筆にするのでなければ、どうしていい現しえよう。
中国でも多く落梅の詩篇がある。
古今異るはずとてなく、よろしく庭の梅をよんで、いささかの歌を作ろうではないか。
この序文の作者は、宴の主催者である「大伴旅人」説と、参加者の一人「山上憶良(やまのうえのおくら)」説などがあり、確定していないようです。
まとめ
いかがでしたか?新年号「令和」が発表され、日本文学から出典されたことで更に注目を集めだした「万葉集」ですが、古典文学や方言等の資料にもなるほど凄い本だったんですね!
最近は解りやすい現代語訳か付いたものや、漫画なども有りますし、中でも里中満智子さんの「 天上の虹」は大作だと思います。
皆さんも興味が出たら読んでみてはいかがでしょうか?
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