イズミルはイスタンブール・アンカラに続くトルコ第三の首都です。
エーゲ海の真珠とも呼ばれるイズミルは観光以外にもリゾート地として大変人気が有る地域でもあり、古代遺跡も多く残る場所。
遺跡や古代史が好きな方は地図を片手に古代遺跡を巡りながらはるか昔に思いをはせる事も出来ますし、リゾートを楽しみたい方はエーゲ海を楽しむ事も出来ます。
この記事では、トルコ第三の都市イズミルのおすすめの観光や場所を地図で解りやすくご紹介したいと思います。
トルコ第三の首都イズミルの歴史!
トルコ第3の都市「イズミル」。紀元前1000年には、既にこの地域に都市が建設されていたという記録があり、世界史に登場する叙情詩「イリアス」「オデュッセイア」で有名な詩人「ホメロス」も、このイズミルで暮らしていたといわれています。
古代ギリシア世界のイオニア地方(イオニアの反乱がおこったところ)にあたり、ローマ時代には商業地域として栄えていました。
紀元前1世紀には、ローマ帝国の支配を受けていたイズミル地域には、数々の古代遺跡が残されており、観光の見どころの一つにもなっています。
イズミルは、古代ギリシャ時代には「スミュルナ」という名で呼ばれ、トルコ人やローマ人に繰り返し占領され14世紀半ばからは、オスマントルコ帝国が侵攻。
一次世界対戦時、イズミルはトルコから離脱し、一時はギリシャ軍によって占領されますが、その後、トルコに奪還され、トルコの重要な都市として発展し、今日に至るまで国際貿易都市としてトルコ経済を支えています。
トルコ第三の首都【イズミル観光おすすめスポットとシーズン】
イズミルを観光するベストシーズンは、4月から5月または、秋の10月から11月頃です。
イズミルは、もともとローマ帝国の支配地であり、エーゲ海に面した地域に港をつくり貿易で栄えてきたこの街は、外国に対して常に門を開いてきた土地でもあり、イスラム文化とヨーロッパがちょうどよく混ざった地域です。
イズミルにはギリシャの古代遺跡、イスラーム文化が伺えるモスク、イズミルの真珠と言われるエーゲ海などがありますので紹介したいと思います。
【Konak Meydanı コナック広場】
公式名がアタチュルク広場であるコナック広場は、イズミールの中心部の中心です。
広場にはヤリモスクや歴史的時計塔があり、イズミルの有名なアヤ人の家族の一人であるカティポウラル家族にちなんで名付けられました。
18世紀にイズミルに住んでいた家族は、都市行政で最も影響力のある人物の1人。カティポウジャル一家の邸宅の中庭にある空きスペースは、人々が出会う街の中心「コナック広場」になったそうですよ。
【Saat Kulesi 時計塔】
イズミルの象徴的な建造物の1つであるイズミル時計塔。
1901年オスマン帝国のスルタンアブドゥルハミト2世の在位25周年記念に建てられたこのモニュメントには、ドイツ皇帝から贈られたという貴重な時計がはめ込まれています。
イズミル時計塔は、イズミルの中心地区であるコナックのロゴ、オスマンスタイルを反映した石細工、幾何学図形、小さなドームで飾られています。
また、広場の片隅には1748年に建てられたヤルモスク(コナックモスク)という小さくて可愛らしいモスクがあり、観光客のみならず地元の人たちの憩いの場所になっています。
【Yalı Camiiヤルモスク】
コナック広場で最も古い歴史的建造物の1つであるヤルモスク(コナックモスク)は、1754-1755年にメフメットパシャの娘アイシェハヌムによって建てられました。
モスクは、建設された当時の隣接するマドラサとの複雑な構造でしたが、後の年にマドラサが崩壊して現在の姿になったそうです。
モスクは、クタヒヤのタイルで飾られた八角形のシングルドーム構造で独立戦争の前にターシンセルメットによって修復されたモスクは、トルコで最も小さな礼拝所の1つとして受け入れられています。
【Kemeraltı Çarşısı ケメルアルトゥバザール】
引用:Hürriyet
コナック広場からアゴラ遺跡にかけて広がるケメルアルトゥ地区は、17世紀からあると言われる巨大なバザールです。
ヨーロッパの商人の商店や隊商が置かれた歴史的なバザールで、商人たちがシルクロードを通り休んでいるラクダの隊商と共に街にやってきた活気のある場所でした。
イズミル観光でショッピングをするなら、このエリアがおすすめですが、バザールはとても広く、観光客にとっては迷路のようで迷子になってしまうこともあるので目印のお店などを見つけておくのが良いと思いますよ。
この一帯はオスマン帝国時代の雰囲気が今も残っているので、散策しているだけでも楽しめます。
中でもオスマン帝国時代に建てられた隊商宿(キャラバンサライ)をそのまま利用したKızlarağası Hani(クズアルアースハン)という建物は、イズミールリマン要塞のすぐ後ろにあるKizlaragasi Haci Besir Agaによって1745年に建てられました。
正方形の形をしたKızlarağası Hani(クズアルアースハン)には、長方形で大きな中庭の周りに多くの店があります。 1993年に復元され、手工芸品、銀や金の宝石、お土産、有名なdibekコーヒーなどがあります。
【Kestane Pazarı Camii 栗市場モスク】
引用:Kestane Pazarı
栗市場として知られる地域の歴史的なケメルアルトゥバザールに位置する栗市場モスクは、石造りの建築と大きな中庭があるイズミルで最も古い礼拝所の1つです。
Eminzade Hacı Ahmet Ağaによって1663年に建てられたモスクは、19世紀の火災後に修復され、現在の形を取りました。
1階とモスク周辺には、宗教的な本や手工芸品を販売する店があります。 北と西に大きな中庭があるモスクは、ケメルアルトゥ地方で最大のモスクです。
また、歴史的なケメルアルトゥバザールのアナファータラール通りと912通りの交差点にある噴水にちなんで名付けられた「Şadırvan Camii(シャドゥルワンモスク)」の下には、石材で作られたお店があります。
【Agra アゴラ】
引用:ウェキペディア
コナックのナマズガ地区にあるアゴラ遺跡は、ヘレニズム時代とローマ時代の最も保存状態の良い建物の1つで 3階建ての建物は178年の地震で破壊され、皇帝マルクス・アウレリウスによって再建されました。
アゴラとは市場という意味でもありますが、古代ギリシャにおいて不可欠で中心的存在の広場という意味もあります。
現在も発掘作業が続いていて、イズミルの長い歴史を感じる場所として観光客にも大人気。
古代ギリシャ時代にはすでにあったと言われていますが、現在発掘している遺跡はローマ時代のもので、コリント様式の柱に支えられた3階建ての市場だったと言われています。
復元された市場は当時の建築技術の高さが伺えますし、至る所に水道の跡があり、現在でも水が出る場所があるのには驚きです!
【Basmane Garı バスマネ駅】
引用:wekipedia
1856年イズミル港の周りを簡単に移動するために、建設されたトルコ初の鉄道線
トゥルグトル鉄道の最後の駅であるバスマネ駅は、当時ラインを保有していたフランス企業の建設によるフランスの建築様式を反映していて、地域貿易を促進するために、ヨーロッパ人が署名した鉄道投資の最も重要な部分の1つなのですよ。
【Kadifekale カディフェカレ】
引用:wekipedia
カディフェカレは、イズミル湾と市内中心部を一望できる丘の上にあり、元々は、アレクサンドロス大王の命令によって侵略を防ぐために造られた要塞。
現在残されている遺跡はビザンツ帝国時代のもので、ヨーロッパ風。
ヘレニズム時代とローマ時代の都市のアクロポリスであるカディフェカレの壁の内側は公園になっていて、長さ6 kmの要塞の元の部分、高さ20〜25メートルの5つの塔、南の壁が当時のまま手つかずで残されています。
城の内部には、古い教会だった建物もそのまま残っていて、観光地と言うよりは、のんびりすごす場所という雰囲気の場所なので、はるか遠いい歴史に思いをはせるのにピッタリの場所だと思います。
【Arkeoloji Müzesi 考古学博物館】
引用:Arkeoloji Müzesi
1984年に5,000平方メートルの屋根付きエリアにオープンしたエスノグラフィー博物館と同じ庭にあるイズミール考古学博物館。
3階建ての博物館の建物には、展示ホール、図書館、会議ホール、写真店、倉庫、屋外展示セクションがあり、チャンダルリ、ベルガマ、バイラクルの古代都市の考古学的な遺物、ローマ時代の大理石像、ガラス製品、コイン、ブロンズデメテル像、西アナトリアの花瓶、マスク、金、銀の装飾品を見ることができます。
【Etnografya Müzesi 民族学博物館】
引用:Etnografya Müzesi
コナックヴァリアントのバーリババ公園にあるイズミル民族誌博物館は、ペストのために1831年に建てられました。
ビザンチン建築の装飾的な特徴の痕跡を伝える博物館の建物は、イズミルの多文化構造を反映する象徴的な構造の1つ。
3階建てのイズミル民族学博物館の2階は博物館として使用され、19世紀のイズミールとその周辺の社会生活を代表する、陶器、アイビーズ作り、錫作り、木材印刷、絨毯織りなどの伝統的な手工芸品などが展示されています。
民族学博物館のすぐ反対側(道路の反対側)には、1851年に設立されたイズミルの最初のイスラム教徒の病院があり、バリアントと呼ばれる道路の周りには多くの歴史的な建物がありますよ。
【Beth İsrael Sinagogu ベスイスラエルシナゴーグ】
引用:wikimedia
アブドゥルハミットの命令によって建てられたベスイスラエルシナゴーグは、イズミルで最大のシナゴーグです。
ミタパシャ通りに位置するこのシナゴーグは、この街の歴史的構造の重要な部分。
シナゴーグから5分の上り坂を登ると、イズミルの歴史的な場所の1つである歴史的エレベーターに到着します。
この歴史的エレベーターは、100年以上もの長い間イズミルの人々に愛されてきたエレベーターで、高台にあるため晴れた日は対岸が良く見えイズミルの中心地が一望できます。
【エフェソス遺跡・エフェス博物館】
青銅器時代中期を起源とするエフェソス。エフェソスは、トルコ西部の小アジアの古代都市で、現在のイズミル県のセルチュク近郊に位置しています。
アルテミス崇拝で知られたギリシア人都市でしたが、のちにキリスト教を受容し、新約聖書にもエフェソの信徒への手紙があります。
現在は遺跡が残っているのみですが、もとは港湾都市。アルテミス神殿周辺が土砂の堆積に寄り港が埋まり、国家として役に建たなくなった為、湾岸のあるこの地に都市を造りました。
共和政ローマ最末期に第二回三頭政治の一頭として権力を握ったマルクス・アントニウスがプトレマイオス朝エジプトの女王クレオパトラ7世と共に滞在した地でもあります。
エフェス遺跡には最大の娯楽施設として栄えていた大劇場、クレオパトラも歩いたと言われる大理石通り、神殿、音楽堂、円形劇場などがあり、
1万2千冊もの書物を保管していた図書館では、エジプトから紙の原料が入らなくなった時に羊皮紙を開発して多くの蔵書を残し、書物の保管の為に二重の壁構造になっています。
その他アルテミス神殿の遺跡、イエスの母マリアが晩年を過ごしたといわれる地に建てられた礼拝堂「聖母マリアの家」、聖ヨハネ教会、考古学博物館などがあり、
「世界の七不思議」の一つである有名なアルテミス神殿は、地中海中から巡礼者を集め。「聖母マリアの家」には、バチカンからの代表者が毎年参拝するほか、歴代のローマ教皇も訪問しているそうですよ。
また、エフェソス博物館にはエフェソス遺跡やその周辺からの出土品約1000点が展示されているので是非足を延ばしていただきたいです。
【ベルガマ遺跡】
イズミルの北部にある小さな町ベルガマ。
町の中心地を見下ろすように一つの小高い山があり、その山全体に古代都市遺跡が残っていますが、発掘はドイツ人によって進められたため、出土品のほとんどはドイツのベルリンにあるペルガモン博物館に所蔵されています。
個人で行くには少々不便なので行かれる方はガイドを頼むのをお勧めします。
【Şirince シーリンジェ村】
第二のサフランボルとして有名なのが、セルチュックから車で15分の場所に有る「Şirince(シーリンジェ村)」
シリンジェ村はかつてギリシャ人が住む村でしたが、1922年のギリシャとの戦争の結果として、トルコ領内のギリシャ人とギリシャ領内のトルコ人の住民が交換されました。
現在住んでいるトルコ人の方達は、以前住んでいたギリシャ人の方達の家を大事にしながら生活している場所です。
トルコ第三の首都イズミルで古代遺跡を巡ろう
トルコ第三の首都イズミルは、トルコの歴史を語る際には外すことのできない重要な地域です。
イズミルへ行かれる際、この記事が参考になれば嬉しいです。
コメント
[…] トルコ第三の首都イズミルの観光地図!エーゲ海リゾートと古代遺跡を巡ろう! […]